ステイプルズ、3D印刷サービスを開始 〜 機器販売低迷の穴埋めとして

 約1年前から立体(3D)印刷プリンターを販売している事務用品小売大手ステイプルズ(Staples)は、今回、立体印刷プリンターを購入しなくても立体印刷(積層造形)だけ発注できる3Dプリンティング・サービスを始める。

 ビジネスウィークによると、ステイプルズは同サービスをニューヨークとロサンゼルスの2店で試験的に開始し、その反応に応じてサービス提供店舗を増やしていく計画。

 同社では過去2年間に、コピーや印刷サービスの売り上げが増加し、事務用品やインク・カートリッジ、パソコンの販売低迷分を相殺した。立体印刷サービスは、そういったサービス事業拡張作戦の一環。

 立体印刷サービスを提供している企業には、シェイプウェイズ(Shapeways)のオンライン・サービスがある。シェイプウェイズの利用者は、自分で設計した物体の3D用設計図をオンライン送信すると、立体印刷機で積層造形されたものが送られてくる。同社はまた、立体印刷された商品の販売や発送も代行する。

 ステイプルズの立体印刷サービスに協力する3Dシステムズでも、独自の立体印刷サービスを2010年から提供している。

 ステイプルズは、欧州市場では1年程前から同サービスを提供している。これまでのところ、利用者には小企業が多く、印刷過程全般にわたって利用者を支援するサービスによって他社との差別化を図っている。

 一般的に、立体印刷は、設計図となる3Dファイルがあればそれほど難しい過程ではないが、漠然とした案から3Dファイルを起こす作業は簡単ではない。

 ステイプルズでは、しっかりした3Dファイルを利用者が準備できるよう支援するために、グラフィック・デザイン助言担当者を養成する計画だ。

 ステイプルズの印刷サービスでは、印刷作業の多くは店内で実行されるが、大きな仕事については3Dシステムズに発注される。

 ニューヨーク店では7台のプリンターで6種類の素材を使った積層造形を可能にする。

 サービス料金は、設計や造形素材の量によって大きく異なる。小さくて単純なものでは数ドルから利用できる。ギターのような大きさで複雑な物体には数千ドル単位の費用がかかる。

 ステイプルズが店内で販売している3Dプリンターの価格は1500ドル以上する。

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