ドローン使用停止命令は無効〜テキサスの捜索業者が提訴

 行方不明者の捜索サービスでドローン(無人航空機)の活用をやめるよう連邦航空管理局(FAA)から命令されたテキサス州の企業がこのほど、命令の差し止めを求めて連邦裁判所に提訴した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、ワシントンDCの巡回控訴裁判所に差し止め請求を行ったのは、2006年から行方不明者の捜索にドローンを利用しているテキサス・エクウサーチ(Texas EquuSearch)。裁判所に提出した請願書の中で、FAAの2月の命令には法的根拠がなく、命令は「非合法かつ恣意的で裁量権の乱用」と訴えている。

 FAAは同紙に対し、電子メールで「エクウサーチには警察などドローンの使用を許可されている公共機関と連携する選択肢があるほか、捜索を行う際に緊急の承認を得る方法もある」と反論している。

 FAAは現在、空の安全確保を理由にドローンの商業利用を禁止している。ドローン使用に関する法律の導入は早くても15年後半になる見込みで、法整備の遅れに業を煮やして無届けでドローンを活用する業者も多い。

 ドローンをめぐりFAAを相手取った訴訟は今回で2例目となる。FAAは先に、バージニア大学の撮影をしていたオーストラリア人のビデオグラファーに、無謀にドローンを飛ばしたとして1万ドルの罰金を科したが、国家運輸安全委員会(NTSB)の判事は3月、商用のドローンはFAA規制外の「模型飛行機」であり、国内での使用は合法との理由で罰金命令を無効にした。

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