SUVブームが再来〜1−5月登録数がセダン上回る

 2014年1〜5月はスポーツ多目的車(SUV)の米新車登録台数が4ドアセダンを上回ったことが、IHS傘下の自動車市場調査ポークのまとめで分かった。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、1〜5月に登録された自家用車両のうち、SUVは36.5%を占め、前年同期から1.6ポイント、09年からは5ポイント以上も増加した。4ドアセダンのシェアは前年同期の36.6%から35.4%に低下した。

 この変化はメーカーや政策決定者に大きな影響を与えている。自動車業界は近年、燃費規制強化を受けてハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などを増やしてきたが、消費者は「ガソリンで長距離走行できるSUVがもっと欲しい」というかなり異なる志向を持っている。

 このため大手メーカーは、あらゆるサイズのセダンを高価格が請求できるSUVとして位置づけるための方法を模索している。SUVはもはや大きな車とは限らず、メルセデスベンツ、リンカーン、アウディ、レクサス、BMWといった高級車ブランドは、コンパクトまたはサブコンパクト・サイズのSUVを販売するか販売しようとしている。

 一方、SUVブームの再来で、政府による石油消費の削減努力が弱まる可能性がある。ミシガン大学の研究者マイケル・シヴァック氏によると、米国で売られている車の平均燃費は07年以降改善が続き、14年5月には25.6マイル/ガロン(mpg)と過去最高に達したが、6月はGMが新しい大型SUVラインを発売したため、25.5mpgに低下した。

 ただし、重いピックアップ・トラックの車台に強力なV8エンジンを載せた1990年代末や00年代初頭とは異なり、現在最も人気の高いSUVは、ホンダCR-V、フォード・エスケイプ、トヨタRAV4のような大衆ブランドの小型のクロスオーバー車で、この部門が新車販売全体に占める割合は5年前の10.28%から15.62%に伸びている。

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