安川電機、ソレクトリアを買収 〜 米国5位の太陽光インバーター製造会社

 安川電機は、太陽光発電用のパワー・コンディショナーを製造および販売するソレクトリア・リニューワブルズ(Solectria Renewables)を米国子会社を通じて買収する。買収額は発表されていない。

 リニューワブル・エネルギー・ワールド誌によると、安川電機は7月初めに、風力タービンを製造するフィンランドのザ・スイッチ・エンジニアリング(The Switch Engineering Oy)の買収を発表したばかりで、日本国外の再生可能エネルギー事業を拡大させる戦略を強化している。

 安川電機は、工場自動化システムで世界的大手となっており、日本国内では太陽光発電のインバーター市場でも地位を確立している。

 「ソレクトリアは、過去10年以上にわたってインバーター市場で確実な事業を構築してきた。ソレクトリアと当社は、戦略や経営哲学において共通点を多数有している」と、ヤスカワ・アメリカのマイク・ナペック社長兼最高執行責任者は語った。

 安川は同買収を通じて製品ラインを拡大し、ソレクトリアは世界市場に進出できる。安川のインバーターは小規模の太陽光発電プロジェクト向けで、一方のソレクトリアの製品は大規模プロジェクト向けだ。

 調査会社IHSのコーマック・ギリガン氏は今回の買収について、「ソレクトリアの買収を通じて安川は、インバーター供給業者として日米両市場でトップ10に入る唯一の企業という特異な地位を手に入れる」と話している。

 安川が有する10キロワットのインバーターは、日本の小規模商用市場を対象とした製品。同市場についてギリガン氏は、「2014年までに75%成長を遂げ5ギガワットに達すると予測される」と説明している。

 ソレクトリアは2013年時点で米国第5位の供給業者。「2社の事業には重複するところがほとんどない」とギリガン氏は指摘し、相互補完性の高い買収だと評価する。

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