米金融機関にサイバー攻撃〜露の報復か、FBIが捜査中
- 2014年8月29日
- 米国ビジネス
米国の金融機関が8月半ばにハッカーのサイバー攻撃を受け、JPモルガン・チェースなど少なくとも2行からデータが流出したことが分かった。ウクライナ問題をめぐる米政府の経済制裁に対するロシアによる報復の可能性があるとして、連邦捜査局(FBI)が調べている。
ブルームバーグ通信が関係筋の話として伝えたところによると、今回の攻撃で盗まれた極秘データは数ギガバイト(GB)の情報量。FBIは最近欧州の大手銀行で起きた同様の攻撃との関連を調べている。
今回の攻撃の1つは、銀行ウェブサイトにセキュリティホール(安全上の欠陥)が見つかり、銀行が修正ソフトウェア配布などの対応策を取るまでの「ゼロデイ」と呼ばれる期間を狙っており、セキュリティホールから何重もの精巧な安全策を打破していくという高度な犯行だという。
こうした攻撃の手口や銀行のコンピュータに残った技術的な痕跡から、背後に国家が関わっている疑いがあり、ロシアまたは他の東欧国である可能性がある。ロシアや東欧からの米金融機関へのサイバー攻撃は過去数カ月間に急増している。
西側の銀行は、欧米の対露制裁によって数カ月前からロシア系企業との取引を規制されており、それがロシア政府の怒りを買っている。特にJPモルガンは、4月にある国のロシア大使館から同国の保険会社にあてた送金を阻止したことでロシア側から強い批判を浴びた。
ロシアは、エストニアやグルジアとの紛争時にも、相手国にこうした攻撃をしかけており、ハッカーが両国の通信システムや政府のウェブサイトを停止させた。
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