空爆待望論の高まり危惧 シリアめぐりオバマ大統領

 【共同】オバマ大統領は28日の記者会見で、シリアからイラクに掛けて勢力を広げる過激派「イスラム国」に対抗する全体的な戦略は「まだない」とあえて明言した。背景には、シリアでの米国人ジャーナリスト惨殺を受け、シリア空爆は間近との見方が独り歩きするのを危ぶむ思いがあった。シリア空爆の難しさをあらためて露呈したともいえる。

 「報道の中には、現状より少し先走ったものがあると、私だけでなく軍も考えている」。オバマ氏は、現在イラクで実施している空爆をシリアに拡大する決断をするには時間がかかるとの見通しを示した。

 イスラム国が米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー氏を殺害する映像を19日に公開後、米国内ではイスラム国の脅威への早急な対応を求める声が拡大。ヘーゲル国防長官が21日、シリア側での軍事作戦を排除しない考えを示し、シリア空爆論に火が付いた。

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