街路灯のLED化が大市場に〜世界の交換率は現在13%

 照明器具の電球をLEDに交換する市場が大きく成長しつつあることが、IHSテクノロジーの最新調査で分かった。

 フォーブス誌によると、世界の既存の街路灯1億4000万本のうち、現在13%強がLED電球だが、2020年にはこれが65%近くにまで高まると予想される。

 LED電球は従来の街路灯用電球よりコストは3〜4倍高いものの、耐用期間が3〜4倍伸び、電力1ワット当たりの明るさも2〜3倍になる。しかも電力消費量の節約率は30〜70%にもなり、コンピュータ制御がしやすく、市街全域の無線通信網にも簡単につなげられるという。

 ニューヨーク市は、17年までに電球25万個をLEDに交換する計画で、費用の7600万ドルは電力および維持管理費用の減少によって6年以内に取り返せると見込んでいる。ボストン、シアトル両市も大規模なLED電球交換を計画している。

 街路照明市場ではオスラム、ロイヤル・フィリップス、アクイティ・ブランズ、パナソニックの各大手が便利な照明製品の開発を模索しており、すでに多数がLED照明ネットワークの制御・監視ソフトウェアを販売している。

 都市の照明コストの半分以上は照明が故障することで失われているため、自治体ができるだけ少ない数で、しかも現在の安全水準を落とさない照明を維持できる製品を造ることがメーカーには重要になる。ロサンゼルス市は08年からLED電球への交換事業を進めており、各電球の電力使用状況、作動状況を把握する技術も導入している。街路灯ごとに光の強弱を調節できるようになったことで、午後7時から午前7時までの住居侵入や器物破損被害が10%減ったという。また、電球交換によって現在までに市の電気代は40%減ったという。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  2. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  3. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  4. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
  5. 私たちは習慣や文化の違いから思わぬトラブルに巻き込まれることがあり、当事務所も多種多様なお...
  6. カナダの大西洋側、ニューファンドランド島の北端に位置するランス·オー·メドー国定史跡は、ヴァイキン...
  7. 2023年12月8日

    アドベンチャー
    山の中の野花 今、私たちは歴史上経験したことのないチャレンジに遭遇している。一つは地球温暖化...
  8. 2023年12月6日

    再度、留学のススメ
    名古屋駅でホストファミリーと涙の別れ(写真提供:名古屋市) 以前に、たとえ短期であっても海外...
ページ上部へ戻る