プールは芝生ほど水浪費せず〜加州で規制緩和の動き

 深刻な干ばつが続くカリフォルニア州では、一部で住宅用プールの水の使用規制が始まっていたが、プールは心配されたほど大量の水を浪費しないという複数の調査結果が発表され、規制を緩和する地域も出てきた。

 ロサンゼルス・タイムズによると、プールに使われる水の量は同じ面積の芝生と変わらず、長期的にはプールの方が少ない可能性もあることがいくつかの分析や科学的研究で分かってきた。プールは覆いをすれば水の蒸発量を約半分に減らせるため、芝生に比べて節水効果が大きく、その効率は乾燥に強い植物に植え替えた場合と同等だという。

 オレンジ郡のサンタマルガリータ水道区は、プールの水使用を規制したところ住民の反発があったため、独自の分析を行った。この結果、プールを満たす時には大量の水が必要だが、その後の使用量は伝統的な芝生の庭より約8000ガロン少なくなり、3年目には水の累積使用量が芝生の庭を下回ることが分かった。ロサンゼルス市水道電力局などの調査でも同様の結果が出ており、サンタマルガリータ水道区は規制の見直しを始めた。

 州内ではすでに、サクラメント郡のカーマイケル水道区がプールの水使用に関する規制を撤回、その北東約50マイルのプレイサー郡も既存のプールに対する規制適用を見合わせている。LA市も「プールを規制するのは農業用と造園用の水を削減した後」と考えている。

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