食品流通の環境負荷を減らす取り組み 〜 ウォルマート、4つの骨子を掲げる
- 2014年10月13日
- 環境ビジネス
小売業界世界最大手のウォルマートは、販売する食品の流通過程の環境負荷を減らし、利用者の食生活をより安全かつ健康的にするための新しい取り組みを発表した。
ニューヨーク・タイムズによると、同社の取り組みは、1)環境負荷を含めて食品全体のコストを下げる、2)栄養価の高い食品を入手しやすくする、3)利用者がより健康的な食品を食べられるようにする、4)食品の産地や生産方法に関する透明性を高め食品の安全性を高める、という4点が柱となる。
ウォルマートはその目標を実現するために、非営利団体をはじめゼネラル・ミルズやペプシコのような食品大手、モンサントやカーギルのような農業大手を含むさまざまの提携企業とも協力する。
たとえば、ウォルマートは、肥料の使用法の改善によって炭素排出量をもっとも減らした農家を表彰する運動でゼネラル・ミルズと協賛している。
ウォルマートはまた、食品廃棄物の削減に関しては、プライベート・レーベル食品の生産でホール・クロップ(全粒穀物などすべての部位を残した材料)の使用を増やす方法や腐敗を削減する方法の研究を始めた。
そのほか、傘下の会員制量販店サムズ・クラブのバーコードに含める情報量も増やしている。
ウォルマートは米国内最大のスーパーマーケットであり、食品は最大の販売構成比を占める。従って同社は、食品メーカーや食品加工業者に対する強い交渉力を、穀物生産で使う水量の削減や果物の運送距離の短縮といった形で生かすことができる。
気候変動問題における農業の役割は、ニューヨークで9月に開かれた国連気候サミットでも主要議題の一つとなった。店に並んでいる商品が環境に与える影響に消費者も高い関心を持つようになったため、売り手側もその影響を抑える動きは利益になると認識し始めている。
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