クラウド基盤のデータ解析製品を開発 〜 セールスフォース、IT大手らに挑戦

 セールスフォース(Salesforce)は同社初となるクラウド解析プラットフォーム「ウェイブ(Wave)」を開発し、サンフランシスコで開催中の年次会議「ドリームフォース(Dreamforce)」で披露した。

 同社はウェイブ開発の理由を、顧客の大規模データ(Big Data)解析需要に対応するためと説明している。同社はそれによって、大規模データ分析市場で先行するIBMを筆頭としたIT大手と直接競合することになる。

 ニューヨーク・タイムズによると、ウェイブは、パッケージ製品またはカスタム仕様のいずれかのかたちで、販売やサービス、そして販促向けのデータ解析を行うもの。利用者は解析結果をデスクトップまたはモバイル端末で閲覧できる。

 解析対象は基本的に、セールスフォース製品内に存在するデータだが、マイクロソフト(Microsoft)やSAP、インフォマティカ(Informatica)といった第三社製品のデータや機械生成データを取り込み、解析することも可能。

 セールスフォースが実施したウェイブの実演では、売り上げを従業員や地域別に分類し、売り上げ目標と実績の乖離が最も大きいのはどこかを分析し特定した。

 また、関連する販売やサービス契約を参照し、機器利用と失敗率を分析、新しい販促活動を提案した。さらに、解析結果を円グラフや棒グラフといったさまざまの方法で視覚化した。

 ウェイブは、機能面では革新的とは言えないが、分析結果が理解しやすいかたちで表示され、実践的かつ複数端末で利用できる点が評価される可能性が期待される。

 セールスフォースは、データ解析市場規模を380億ドルと推定している。

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