セキュリティ事業を米社に売却〜シーメンス、電機事業を重視

 欧州最大のエンジニアリング会社であるドイツのシーメンスが、電力関連事業を強化するため、セキュリティ機器事業をエイカー(Acre)傘下のバンダービルト・インダストリーズ(Vanderbilt Industries、ニュージャージー州)に売却する。バンダービルトが20日、同社ウェブサイトで明らかにした。

 ブルームバーグ・ニュースによると、350人近くが働くシーメンスのセキュリティ機器部門は今後、バンダービルト・インターナショナルとしてブランド展開する。

 シーメンスのジョー・ケーザー最高経営責任者(CEO)は近年、電化、自動化、デジタル化のための商品を中心とした事業の構築を進めており、先月には米国の天然ガス生産市場で足場を固めるため、掘削機器製造のドレッサーランド(テキサス州)を76億ドルで買収することに合意した。

 一方、シーメンスは2013年、欧州の総合電機大手で最も多くの事業を処分。今年に入ってからは健康データや微生物事業、さらにロバート・ボッシュとの合弁事業である家庭用品事業の持ち株や、製鉄所の建設・維持事業VAIメタルズの持ち株も売却し、補聴器部門の株式上場も計画している。

 エイカーは、12年にインガーソルランドからセキュリティ・システム事業バンダービルトを買収した。シーメンスのセキュリティ事業は、アクセス制御、侵入アラーム、ビデオ監視商品などを製造しており、エイカーのジョセフ・グリロCEOは「バンダービルトは商品ラインや市場の地理的な拡張機会に注目した」と述べた。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る