アップル、警備員を正社員に〜サービス労働者に朗報

 IT大手アップルはこのほど、警備員を福利厚生付きの正社員として採用すると発表した。普段はあまり注目されないシリコンバレーのサービス労働者に、また1つ朗報がもたらされた。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、アップルは1年かけて社内の警備体制を見直した結果、外部の警備会社と契約するより警備員を直接雇用すべきという結論に達し、「日々の警備需要を満たすため大量のフルタイム社員を雇う」と発表した。

 求人の大部分に現在契約する業者セキュリティ・インダストリー・スペシャリスツの社員が採用される予定。警備担当社員にも他の社員と同様、医療保険、退職年金、子育て支援といったベネフィットも提供する。

 IT業界ではサービス労働者の待遇改善の動きが生まれており、2014年秋にはグーグルが200人の警備員を派遣社員から正社員に切り替えた。また、アップルを含むIT6社のシャトルバス運転手は有力労組チームスターズに参加することを決定し、同組合は先月フェイスブックのシャトルバス運転手を代表して労使協約交渉を行っている。

 シリコンバレーでは、ハイテク労働者とサービス労働者の所得格差が極めて大きく、シンクタンクのジョイント・ベンチャー・シリコン・バレーが発表した最新報告書によると、高技能労働者の年収は中間値で約11万9000ドルだが、低技能労働者は約2万7000ドルにとどまっている。

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