著名投資家、シリコン・バレー・バブル破裂を予想 〜 中国新興企業を有望視

 アップル(Apple)やグーグル(Google)の初期に投資し、シリコン・バレーでもっとも成功した投資家の一人として知られるセコイア・キャピタル(Sequoia Capital)のマイケル・モリッツ会長は、シリコン・バレーでバブルが間もなくはじけるという見方を示した。

 フォーチュン誌によると、タイムズ・オブ・ロンドン(Times of London)の取材に応じたモリッツ会長は、高額の時価総額で報道界を賑わしている「ユニコーン(一角獣)」と総称される企業群について、「常軌を逸した非常に多くの小さな新興企業が今後消滅するだろう」と述べた。

 ユニコーンとは、時価総額10億ドル以上と想定される未上場の新興企業のことを指す。ユニコーンの増加を背景に、モリッツ会長のように、近い将来の技術系バブル破裂を予想する声が最近は増えている。

 ウーバー(Uber)やスナップチャット(Snapchat)に投資する著名な技術系投資家のビル・ガーリー氏も、最近の業界会議において、現在のシリコン・バレーには「恐怖心というものがまったくない」と発言。前例のないほど多くの人がシリコン・バレーの赤字企業によって雇用されている、と指摘した。

 一方で、モリッツ会長は、つぶれる企業があるなかで、成長するユニコーンも少なくないと予想する。2000年のドット・コム・バブル時に比べて市場は成熟していると述べ、「(ユニコーンの)一部は安定しており、持続可能なビジネス・モデルを持っている」と評価した。

 それと同時にモリッツ会長は、中国を「新興企業にとって世界でもっとも活気のある環境」と表現。シリコン・バレー企業よりも、中国企業への投資の方が魅力的という見解を示した。

 モリッツ会長によると、世界の最優秀新興企業20社のうち7社が中国拠点で、そのうち携帯電話メーカーの小米科技(Xiaomi)は時価総額460億ドルに達し、20社中最高となっている。

 モリッツ会長は、「(西欧企業中心の時代から)力の均衡が変わってきている」と述べ、中国企業の技術力の向上を強調した。

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