IBM、ワトソン関連の新興企業2社に出資 〜 旅行検索とオンライン販売技術

 IBMは、人工知能コンピュータのワトソン(Watson)と連動する技術を手がける新興企業2社に出資した。

 インベスターズ・ビジネス・デイリーによると、IBMが出資したのは、オンライン旅行検索技術を開発するウェイブレイザー(WayBlazer)と、小売店やメーカー向けにオンライン販売技術プラットフォームを開発するセルポインツ(Sellpoints)。

 ウェイブレイザーは2014年10月に、IBMワトソン・グループの元責任者マノジ・サクセナ氏が共同設立者となって設立された。

 IBMは、ウェイブレイザーが500万ドルを集めた資金調達ラウンドに参加。IBMによると、ウェイブレイザーはワトソン技術を使って経済や文化、社会の膨大なデータにアクセスし、利用者ごとに個別の推薦内容を提示する。

 IBMはその一方で、セルポインツが実施した総額750万ドルの資金調達ラウンドにも参加した。セルポインツは、ワトソンを活用して購入者の好みや意図を理解する新しいアプリケーションを最近開発した。同アプリケーションでは、利用者が自然言語で質問できる。

 「認知電算技術は、顧客とのやり取りを再定義し、もっと深い意義ある顧客体験を創造するのに役立つ」「ウェイブレイザーとセルポインツは、それを見事に示した例だ」と、IBMワトソンのスティーブン・ゴールド副社長は声明で述べた。

 IBMは、ワトソン関連企業への直接投資の機会を模索しており、1億ドルの予算をそのために組んでいる。最近では、医療記録システムを提供するモダナイジング・メディシン(Modernizing Medicine)に投資した。また、遺伝子テスト・サービスを提供するパスウェイ・ジェノミクス(Pathway Genomics)にも投資している。

 IBMはさらに、ワトソン・ヘルスという新事業部門を4月に開設している。同事業では、アップルやジョンソン&ジョンソン、メドトロニックと協力していく。

 IBMはワトソン事業に10億ドルを投資する計画を進めている。

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