モンサント、シンジェンタ買収を断念

 農業バイオ大手モンサント(ミズーリ州)は26日、スイスの同業シンジェンタの買収を断念すると発表した。今月中旬に買収額を引き上げ、470億ドル近くを提示したものの再び拒否され、実現は不可能との結論に達した。

 AP通信によると、買収が実現すればモンサントは農業用化学品分野と種子分野で世界最大メーカーになるはずだった。しかし同社による今年4月以降の買収提案に対し、農薬大手のシンジェンタは拒み続けた。

 モンサントは4月、約450億ドルで買収を提案。シンジェンタは買収額が低すぎる上、遺伝子組み換え作物などで大きな世界シェアを握ることに競争当局から承認されない可能性が強いとして反対を表明した。

 そのため、モンサントは今月18日には買収額を1株当たり470スイスフラン(総額で約470億ドル)に引き上げ、さらに競争当局から承認されなかった場合にシンジェンタに払う破綻補償金を20億ドルから30億ドルに引き上げたものの、シンジェンタの「金銭的希望に合わなかった」(モンサントの声明)という。

 小規模農家や市民団体からは、買収が実現すればモンサントの市場支配力が一段と強まることへの懸念が示されていた。

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