企業リーダーには女性が適任？〜探究心、協調性で男性に勝る

　男性より女性の方が市場競争で公正な判断が下せる可能性が高く、企業リーダーにふさわしいという調査結果が発表された。

　ロサンゼルス・タイムズによると、アリゾナ州のＡ・Ｔ・スティル大学とカナダのマクマスター大学の研究チームが企業の取締役600人を対象に調査したところ、男性よりも女性幹部の方が、決断を下す際に競争上の利害関係を考慮でき、協力的な手法が取れる傾向が強いことが分かったという。調査報告書は、経営専門誌Journal of Business Governance and Ethicsに掲載された。

　回答者の75％を占めた男性取締役は、基準や決まり、伝統にのっとって決定を下すことを好んだが、女性の取締役はそれほど規則に縛られず、波風が立つことを恐れず、しかも協力、協調、意見の一致を図る傾向が強かった。

　また、女性幹部は男性より探求心が強く、問題に対し複数の回答を考える傾向にあった。Ａ・Ｔ・スティルのグレゴリー・マックイーン博士は、「このため女性の方が会社にとって最善の決定を下す可能性が高い」と指摘する。

　世界的には、女性取締役の割合は約９％にとどまるものの、１人でも女性取締役がいる会社はそうでない会社より破産法適用を申請する可能性が20％低く、女性取締役の数が多い企業は業績も高い傾向にある。

　マクマスター大学のクリス・バート教授（経営戦略学）は「女性取締役の多い会社は業績が良いことは以前から知られていた。今回の調査は、女性取締役がいることが正しいだけでなく賢明であることを示しており、女性取締役がほとんどいない企業は投資家に損をさせているかもしれない」と話している。

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