52%が「停止すべき」〜加州の高速鉄道計画
- 2013年10月1日
- アメリカ発ニュース
カリフォルニア州が進めるロサンゼルス〜サンフランシスコ間の高速鉄道計画について、州民の過半数が中止を望んでいることが、USCドーンサイフとロサンゼルス・タイムズの合同世論調査で明らかになった。
両都市を最高時速220マイルの高速鉄道で結ぶ680億ドルの同計画は、2008年の住民投票を経て進められているが、9月に州内の有権者1500人に対して行われた調査では、52%が計画を「中止すべき」と答え、「進めるべき」との回答は43%にとどまった。
計画への新しい支持者はみられず、むしろ08年の住民投票で賛成票を投じたことを後悔する有権者が増えている。計画を「再び住民投票にかけるべき」という人は、12年調査の55%から今回は70%に増えた。
また、高速鉄道の建設が「高速道路や空港の混雑解消に役立つ」と考える人は61%を占め、65%は「雇用を創出する」と考えているものの、51%は「資金の無駄」、63%は「自分はまったくまたはほとんど使わない」と答えた。
さらに、58%が「選択肢があれば、南カリフォルニアからベイエリアまでは飛行機か車で行く」と答え、「高速鉄道を使う」という人は39%にとどまった。
民主党系の調査会社グリーン・クインラン・ロスナー・リサーチのドリュー・リーバーマン氏は「住民は計画の構想自体には反対していないが、実施の方法に反対している」と見ている。州の高速鉄道管理委員会に長年関わり、当初は計画の熱心な支持者だったが最近では批判する側に回っているクエンティン・コップ元州上院議員氏は「進めるには住民の支持が必要。支持の低下は当局の指導力が信頼されていない証拠」と指摘した。
計画では、28年までにベイエリアとロサンゼルス間で乗客の輸送を開始する予定だが、当初12年末の予定だった着工は相次ぐ訴訟などで遅れており、順調に行っても14年以降になる見通し。
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