宇宙でのモノ作りが可能に〜ISSに3Dプリンター設置へ

 国際宇宙ステーション(ISS)で使う部品などを現地調達できるよう、ステーション内に3D(立体)プリンターを装備する計画が進められている。

 スペース・コムによると、2014年には最初のプリンターが、民間企業スペースXの宇宙輸送船「ドラゴン」に積み込まれ飛び立つ予定。当初は実証実験として、宇宙飛行士がISSで使用する交換部品や工具を作るのに使われる。

 3Dプリンターを開発したメイド・イン・スペース(Made in Space、カリフォルニア州)は、最終的には一般の科学実験や革新的な企画、工芸にも対応できるデザインにする意向で、共同設立者のマイク・チェン最高戦略責任者(CSO)は「プリンターが宇宙に達した後は宇宙でのモノ作りを世界に公開する。創造的な発想や意見があれば歓迎する」と話している。

 順調に行けば、3Dプリンターの決定版が15年にISSに向けて発射される予定。

 チェン氏によると、宇宙に物を送るのは非常に難しくかつコストがかかり、技術革新の障害となっている。宇宙に打ち上げる物はすべて、最大9Gの重力や激しい揺れが生じる最初の8分間を耐えるように「恐ろしく頑丈」(同氏)に作られているからだ。

 この点、ISSに3Dプリンターがあれば、軌道上で新しい材料を作り出す可能性や、宇宙で行える実験の種類が広がり、初めて重力の問題を気にせず宇宙用にモノをデザインできるようになる。メイド・イン・スペースは、宇宙へのアクセス拡大を目指して10年に設立された。

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