サムスン、サーバー向け半導体事業から撤退 〜 ネヌビディアも規模縮小

 サムスン電子(Samsung Electronics)とネヌビディア(Nvidia)は、サーバー用半導体開発事業に関し撤退を含む再編に着手した。

 サーバー用半導体市場にはインテル(Intel)をはじめ多くの企業が参入しており、最近は競争激化による利益率低下が懸念されている。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、サムスンはサーバー用半導体開発計画を正式発表こそしていなかったが、アバンスト・マイクロ・デバイセシズ(AMD=Advanced Micro Devices)を含むチップ開発大手からサーバー用半導体専門家を引き抜き、カリフォルニア州ミルピタスで開発を行ってきたものの、関係筋の話では、サムソンはこのほどその開発中止を決定した。

 一方、画像処理半導体製造最大手ののネヌビディアは2011年初めに、「パソコンやデータ・センター用サーバー、スーパーコンピュータ向け」の半導体開発計画「プロジェクト・デンバー(Project Denver)」を立ち上げたが、それを縮小する方針。

 エヌビディアは今回、プロジェクト・デンバーについて、今後も高性能半導体として開発を続けると強調する一方で、当面はタブレットやスマートフォン向け半導体「テグラ(Tegra)」の一部と位置付けることを明らかにした。

 関係筋によると、スマートフォン向け半導体最大手のクアルコム(Qualcomm)もサーバー用半導体開発に取り組む一社だ。

 アプライド・マイクロ・サーキット(Applied Micro Circuits)やAMD、ブロードコム(Broadcom)といった半導体メーカーも、ARMホールディングス(ARM Holdings)の設計に基づくサーバー用半導体開発計画を表明している。

 サーバー用半導体市場へのそうした参入増加を背景に、最近は同事業の利益率低下も懸念される。

 サーバー用半導体市場においては、人気製品市場でインテルが97%を占めており、価格競争をしかけて市場での地位を固めるだけの資金的体力も強い。

 市場調査会社リンリー・グループ(Linley Group)は、サーバー用半導体新興企業キャルゼーダ(Calxeda)が2013年に廃業した要因として、インテル製品の値下げを挙げる。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る