ベライゾン、識別子で利用者の行動を追跡 〜 個別標的モバイル広告に活用
- 2014年10月30日
- ハイテク情報
ベライゾン・ワイヤレスは、固有の識別子を使って携帯電話利用者のモバイル・インターネット上の行動を追跡していると報じられた。
同件については、ハイテク情報誌のワイヤードが最初に報じ、テックスポット誌が今回、大きく取り上げた。
約1ヵ月前には、ケーブル・サービス最大手のコムキャストが、自社の公共ワイファイ・ホットスポットに接続する利用者に対して標的広告を表示していると報じられた。
ワイヤードおよびテックスポットによると、ベライゾンは過去2年ほどにわたって、約50字からなる文字列や、固有識別子ヘッダー(UIDH=Unique Identifier Header )と呼ばれるものを利用者のウェブ・トラフィックに挿入し、利用者のオンライン行動を詳細に把握して個別標的広告の表示に役立ててきた。
また、アドエイジ誌では、ベライゾンがそのUIDHを「プリシジョンID(PrecisionID)」と呼んでいると報じ、「クッキーがない状況でも販促や宣伝を可能にするクッキーの代替物」と説明している。
ベライゾンは法人や行政機関の加入者に対しては、その販促戦略を使っていないとみられる。
報道によると、ベライゾンはUIDHを毎週変えている。広告主が使用する情報には、利用者の郵便番号や使用機種、使用言語、性別、年齢、趣味や関心が含まれている。
同報道を受けて、エレクトロニック・フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation)のジェイコブ・ホフマン・アンドリューズ上席技術専門家は、ベライゾンの識別子について、利用者が接続するあらゆるウェブ・サーバーによって読み取られる可能性があるため「永久的なクッキー」だと批判している。
それに対しベライゾンでは、UIDHを無効にする方法はないと説明している。ただ、同社の「利用者と関連性の強いモバイル広告(Relevant Mobile Advertising)」プログラムの適用外を指定する利用者には標的広告は表示されないという。
しかし、同プログラムからの適用外を要求しても、UIDHはなおも使われるため、プライバシーを保証することにはならない。
ホフマン・アンドリューズ氏は、「AT&Tも同様のヘッダーを使用しているようだ。スプリントに関する報道も聞いたことがある」と指摘する。
自分のモバイル機器がUIDHを使っているかどうかは、「http://lessonslearned.org/sniff」で確認できる。
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