ソーラーパネルを西向きに〜アリゾナ電力大手が新事業
- 2014年10月31日
- 米国ビジネス
アリゾナ州の電力大手アリゾナ・パブリック・サービス(APS)は、ソーラー・パネルを一般的な南向きでなく西向きに設置する住宅向け事業の実施許可を州当局に申請した。1日のうち最も電力需要が高まる午後3時から夕方までの供給不安問題を緩和するのが狙い。
アリゾナ・リパブリックによると、この事業は3000世帯に無料でパネルを設置し、屋根使用料として月30ドルを払うという内容で、コストは7000万ドルに上る。消費者にとってはパネルの購入または20年リース契約に必要な多額の初期コストがなくなり、月30ドルという条件も一般的にパネルのリースで節約できる電気料金(月5〜10ドル)を上回る。
現在、ほとんどのソーラー・パネルは年間の発電量が最も多くなるよう南向きに設置されているが、1日を考えた場合、発電量が最も多い時間と電力需要が最も高い時間とにずれがある。
アリゾナの最大都市フェニックス地域で電力需要が高まるのは夏の午後3〜7時で、人々が帰宅しエアコンのスイッチを入れる5時ごろが最高になる。ところがパネルが南向きだと発電量が最大になるのは正午ごろで、太陽が西に傾く午後5時には最大時の約4分の1に減る。西向きのパネルも午後5時の発電量は最大ではないが、南向きに比べると2倍になる。
ただし西向きだと年間発電量は10〜20%減るため、パネルを自分で購入して西向きに設置した場合は電気代節約効果が下がる。その点、申請中の新事業ではAPSが設置費用を負担し、自社の都合でパネルの向きを決める。
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