パスタ値上がりへ〜デュラム種が13年ぶりの不作

 世界小麦生産量は2013〜14年度に史上最高の9億8300万トンを記録したものの、パスタに多く用いられるデュラム種は13年ぶりの不作で、パスタ業界は原料高に直面しそうだ。

 ロイター通信によると、13〜14年度のデュラム小麦の世界生産量は、前年比12%減の3330万トン(国際穀物理事会)だった。イタリアのパスタ製造大手ブイトーニ(Buitoni)の輸出責任者ルチアーノ・バーリ氏は「パスタメーカーは4年ぶりのコスト高に直面し、コスト上昇分は消費者に転嫁されるだろう。状況は実に不安定だ」と話した。イタリアでは法律によって、乾燥パスタはデュラム小麦粉と水で作ることを生産者に義務付けている。

 最も値上がりの痛みを感じるのはイタリアの消費者となりそう。米国では1人当たりのパスタ消費量が年間19.4ポンドなのに対し、イタリア人は55.8ポンドに上るためだ(欧州のパスタ製造者団体UNAFPA)。

 カナダ小麦局(CWB)のブルース・バーネット氏によると、今年の同国西部産のデュラム小麦のうち、上位2等級の評価を受けるのは4分の1もないという。カナダはデュラム輸出量が世界で最も多い。

 ノースダコタ小麦委員会のジム・ピーターソン氏は、「最高品質を求める買い手は入手に懸命となっている」と話した。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る