シスコ、高速ワイファイ用スイッチ・ポートを推進 〜 マルチギガビットに対応

 シスコ・システムズ(Cisco Systems)は、次世代高速無線LAN規格のIEEE802.11acをサポートするLANスイッチの開発を進めている。

 そのLANスイッチは、標準的なギガビットまたは10ギガビット・イーサーネットに加えて、毎秒2.5ギガビット(Gbps)または5Gbpsで動作するポートを搭載する。それによって1Gbps以上の高速ワイファイ・アクセス・ポイントに対応し、企業が導入済みのケーブルにも対応する。

 コンピュータワールドによると、企業用LANに接続する方法としては有線イーサーネットが主流だが、最近、ワイファイ接続が勢いを強めている。

 IEEE802.11ac規格アクセス・ポイントは通信速度1.3Gbps以上、設定によっては最大7Gbpsに対応する。IEEE802.11ac対応製品は「ウェイブ2(Wave 2)」と呼ばれ、市場への製品投入が始まったところだ。

 新規格の課題としては、無線LANでギガビット以上の高速通信を実現するためには、各アクセス・ポイントでギガビット・イーサーネット以上のスイッチ・ポートが必要となる点が挙げられる。

 そのためには10ギガビット・イーサーネットで対応可能だが、一般的な100メートルの通信網リンクをカバーするためにはカテゴリー6a(Category 6a)のケーブルが必要だ。しかし、大半の企業が導入済みのケーブルはカテゴリー6aより古く、建物全体で新しいケーブルに入れ替えるには相当の投資が必要となる。

 そこで登場したのが2.5Gbpsおよび5Gbpsイーサーネットだ。いわゆるマルチギガビット速度に対応する同規格について、IEEE作業部会は作業を始めたばかりだが、ベンダーは標準策定を待たずに製品化を進めている。

 通信用半導体開発のアクアンティア(Aquantia)は、二つの速度に対応する部品の提供を2014年に開始した。

 シスコは、複数のスイッチ機種でマルチギガネット対応イーサーネット・ポートに対応させ、2015年の第2四半期に出荷する計画だ。たとえば、カタリスト4500E(Catalyst 4500E)には48ポート仕様を追加し、そのうち12ポートをマルチギガビット対応とする。

 IEEE作業部会が策定する標準は、シスコ製品に近いものになるとみられる。

 シスコは、新技術を推進する業界団体のNベースTアライアンス(NBase-T Alliance)をアクアンティアらと2014年10月に設立した。同団体にはインテル(Intel)やクアルコム(Qualcomm)も参加する。

 一方、通信網機器用半導体大手のブロードコム(Broadcom)は、競合する業界団体のMGベースTアライアンス(MGBase-T Alliance)に所属している。

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