アルコアに2.5億ドルの融資〜連邦政府、ATVM制度を再開

 エネルギー省は、先進技術車両製造(ATVM)融資制度を4年ぶりに再開し、アルミ大手アルコアに2億5900万ドルを融資する。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、アルコアは車体用アルミ板を製造するテネシー工場の拡張工事を継続するためにこの資金を使う。工事は年内に完了する予定で、200人の雇用を生む見通しだ。

 ATVM融資制度は、燃費規制の厳格化に対応できる可能性がある素材や技術の開発支援を目的に始まったが、5億2900万ドルの融資を受けたフィスカー・オートモーティブの経営破綻などを受けて休止されていた。政府はフィスカー破綻で1億3900万ドルの損失を被ったほか、天然ガス燃料車の開発を目指したビークル・プロダクション・グループの債務不履行でも約4200万ドルの損失を被っている。

 しかし同省には約160億ドルの融資権限が残っており、モニツ長官は昨年から自動車メーカーやサプライヤーに新規のローン申請を奨励し、審査手続きの能率化や資格条件の緩和などを提示していた。

 アルコアのクラウス・クラインフェルド最高経営責任者(CEO)は声明で「より安全で軽く燃費に優れたアルミ車の製造を推進させるため、制度に参加できたことを喜んでいる」と述べた。

 エネルギー省が2009〜11年に実施した融資は大部分が今回よりはるかに大規模で、テスラ・モーターズは4億6500万ドルの融資を受け短期間で返済したほか、フォードは59億ドルの融資で多くの米工場や事業を改善させた。日産はテネシー州スマーナの電池工場建設のために14億5000万ドルの融資を受け、電気自動車「リーフ」の生産を拡大した。

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